去る令和7年1月11日に前理事長の宇都宮和子氏が天に召されました。体調を崩されてから短期間の出来事でした。故に、その後の法人全体の運営に支障が出るのではないかと心配をしておりましたが、各施設長や現場の職員一人一人が日々、変わらない思いを持って(心の内には前理事長への悲しみを抱えながら)目の前の業務に向き合っていました。
前理事長は現場を知り尽くしておられた方でした。同時に篤い情熱を傾けて職務に取り組んでこられた方でもありました。故人の歩まれた足跡は大変大きく深いものですが、法人の創設時からご支援を頂いた方々のご協力や各施設の施設長や現場の職員共々と、これまで築かれてきた福祉サービスの現在地から、主の助けを頂きながら、日本キングス・ガーデンのビジョンの更なる高嶺を目指して、歩みを続けていきたいと願っています。
介護保険法が創設されて今年で25年になろうとしています。介護保険の目的として、「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」と明記されています。また、平成25年4月に施行された障害者総合支援法においても、「障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営むことができる」ことを目的とすることが記されています。
いずれの法律にも「高齢者及び障害者・児の尊厳」が保たれることが謳われています。
昭和55年10月に日本キング・ガーデンが社会福祉法人として創設されました。その際の基本理念は聖書から引用されました。「夕暮れ時に光がある」「その砂漠を主の園のようにする。そこには楽しみと喜び、感謝と歌声がある」との言葉でした。夫々の言葉が意味することは、高齢に伴い心身機能が低下することで、日常生活が周囲の介護を得なければならなくなると共に、人格までも否定されたり、様々な病気と共に社会的障壁がかぶさり、生きづらさを強いられている状況の人たちに対して、生まれた時から死を迎えるその一瞬まで、「人として」豊かな人生、「希望は失われず、楽しみと喜び」が享受できるとのメッセージです。
2月19日の臨時理事会に於きまして、前理事長の後任として、私が選任され、就任する運びとなりました。
令和7年10月には法人設立45周年を迎えます。この間、法人の働きは高齢者福祉のみでなく障害者・児の福祉へと拡がってきました。これからも事業を通してキングス・ガーデンの理念に基づいた支援を変わりなくお届けしたいと願っています。
引き続き、キングス・ガーデンの働きのために皆様のご賛同とご支援をお願い申し上げます。
令和7年2月22日
社会福祉法人日本キングス・ガーデン 理事長 張 博一